Classいち早くオンラインに対応 「学びを止めない」という方針のもと、本学の昨年度の授業は完全オンラインでスタートしました。私は全学共通教育を統括する副学長として、授業の実施方法の検討や先生方との調整を担当。準備に当たっては、本学の「COVID-19対応授業実施検討タスクフォース」による教員向けの講習会を開催して、オンライン授業の実施方法等を周知しました。幸い、本学では2015年度から学部生にノートパソコンを必携化しており、学生と教職員の素早い対応と協力もあって、比較的スムーズにオンライン授業へ移行できました。一方、自宅等にネットワーク環境がない学生には、大学から無償でモバイルWi-Fiルーターを貸し出すなどの対応も行いました。2020年4月の授業スタート時は完全オンラインでしたが、その後、実験・実習などを対象に対面による授業を導入し、さらに範囲を学部1年生対象の専門科目や受講者20人以下の講義へと広げ、12月からの第4タームは教養教育科目についても原則対面で行うなど、新型コロナウイルスの感染状況を鑑みながら、十分な感染対感染症対策の最前線を担う 広島大学保健管理センターは、学生および教職員の身体的・精神的健康管理に関する専門的業務を行う、学内共同教育研究施設です。毎年、学内での健康診断を実施するほか、日々の健康相談やカウンセリング、診療を受け付け、心身の両面から皆さんの健康を支えています。 私は内科医としてセンターに勤務しており、コロナ禍においてはセンターでの取りまとめ役を担当しています。本学では2020年1月ごろから検討会議が始まり、3月には教職員向けのコロナ禍対応の研修を実施。感染者が発生した時の対応や感染防止策などをレクチャーしました。それ以降も、消毒用キットの提供や保健所とのやり取り、学生や教職員からの問い合わせ対応など、学内の感染症対策の最前線を担っています。 一番気を配ったのは、学生と教職員の健康診断です。接触機会を減らすために、例年の倍以上の健診日を設け、完全予約制を導入。以前からすでに予約システムを一部で導入していたので、すぐに体制を整えることができました。また、問診票をWEB入力に切り替え、消毒を徹底。万全の対策を行った結果、幸い大きな苦情もなく、スムーズに実施できたと思います。「苦情がなかった」というのはとても大切です。私たちの仕事は「当たり前のことを当たり前に行う」こと。何らかの症状に困っている人を助けたり、健康診断をトラブルなく行ったりするのは、コロナ禍にかかわらず、できて当然の責務だからです。 広島大学は1万人を超える大規模な組織。大学を感染の場にしないことがいかに難しいかを痛感しました。友人との交流機会が減って学生の皆さんは寂しいと思いますが、この状況を共に乗り越えることで今まで以上の友情で結ばれることを願っています。皆さんが健康で、納得のいく生活を送るために、健康面からサポートするのが私たちの仕事です。大学のグローバル化に合わせて、留学生への細やかな対応にも取り組みたいと思っています。誰もが気軽に相談できる、温かく、頼れる、安心の保健管理センターを目指します。保健管理センター 日山 亨 教授 「学びを止めない」を コロナ禍によって、ニューノーマルが浸透した広大での学生生活。大学での感染防止に向けた取り 特 集07
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