私もです広島大学を卒業・修了後、各業界で活躍されているOB・OGの方々に学生がインタビュー。現在のお仕事と大学時代を語っていただきました。広大広大学生レポ! 私が社長・総支配人を務める東京第一ホテル松山は、愛媛県松山市で有数のシティーホテルです。122室の客室と直営レストラン2店舗、宴会場を擁しており、宿泊のみならず結婚式や同窓会などさまざまなシーンでご利用いただいています。過去には、皇族やプロ野球選手などにもお泊りいただきました。当ホテルは、父が事業多角化に当たり、ホテル経営に乗り出したことが始まり。もともと家業を継ぐつもりでしたので、父に背中を押されてこの道に入りました。 仕事のモットーは「初心忘るべからず」。サービス業であるホテルの仕事は24時間365日休みがありません。最初の情熱や気付きを忘れないよう肝に銘じ、常に新鮮な気持ちで取り組んでいます。迷ったときは、武者小路実篤の「この道より我を生かす道なし この道を歩く」という名言に従い、振り返らずに自分を信じて前向きに進むように心がけています。 人の上に立つ立場ではありますが、ホテルの仕事全てを私が管理することは困難です。全従業員に心を込めて上質なサービスを提供してもらうために、「意見を聞く」ことを大切にしています。職種や役職などの立場によりさまざまな見解があるため、私が状況を把握し意見調整をすることで、全員が志を同じくして働ける職場を目指します。 ホテルは装置産業とも言われ、時代の変化とともに最新設備が求められます。アフターコロナの時代では、新しい生活様式の中でお客様に満足していただけるホテルであることが大事。設備投資を進め、心の込もったより良いサービスをお届けすることで、小さくとも光るものがある“プチラグジュアリー”なホテルに進化していきます。 広島大学在学中は、ヨット部の活動に力を入れていました。4年生の夏休みに、クルーザーで沖縄まで1カ月にもわたる航海に挑戦。部として初めてのことです。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、小型船舶操縦士免許など幾つもの資格を取得したり、社会人と共に航海術を磨いたりと、道のりは険しいものでした。さまざまな人に出会い、困難を乗り越えた末に達成したこの航海は、私の人生の宝となっています。 後輩の皆さんには、「学生生活に失敗はない。好きだと思えることを見つけ、徹底的に取り組むことが大切だ」と伝えたいですね。それが後々人生の糧となり、自信につながります。また、広島大学は中四国ナンバーワンの大学。最近は「私も広大生です」と、声を掛けていただくことが増えました。母校に誇りを持ち、もっと卒業生のネットワークを広げていきたいと思います。全ての従業員が志を一つに小さくとも光るホテルを目指すのむら・ただひで/広島大学工学部第四類(建築系)船舶工学1983年卒業。トヨタ自動車株式会社に入社し、1986年に退社。同年、東京第一ホテル松山の運営会社である八紘開発株式会社を設立し、専務取締役に就任。1995年より総支配人を兼務。2006年に代表取締役兼総支配人に就任し、現在に至る。好きなことに一心不乱に取り組んだ経験が人生の自信につながった経済学部2年さん岸本 彩楓Report学生広報ディレクター何か一つ、他人に負けない分野において一生懸命やり遂げることは、何年たってもその人の支えとなり、かけがえのない学びを与えてくれると分かりました。そして、人と人とのつながりは何よりも大切で、人生において一番の財産になるということに感銘を受けました。私も実りある大学生活を送ろうと思います。▼ 広島大学ヨット部から還暦祝 いに贈られたキャップ。野村 忠秀東京第一ホテル松山社長・総支配人工学部 出身さん19
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