HU-plus (vol.15) 2021年度5月号
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キーワード:遺跡、発掘調査、竪穴住居、石器、展示人数:教員2人、研究員1人、教育研究補助職員1人その他連携施設:教育委員会DATA川島 尚宗 (かわしま たかむね)准教授総合博物館 埋蔵文化財調査部門REPORT潜入チーム広大▲ 展示室  アクセス▲ 広島大学デジタル博物館  ー文化財博物館ー(左から梅本教育研究補助職員、川島准教授、藤野特任教授)展示活動や遺跡復元に取り組む 弥生時代の竪穴住居が復元された鴻の巣南遺跡や、須恵器の窯跡が見られる陣ヶ平西遺跡など、東広島キャンパスでは30を超える遺跡が発見されている。また霞キャンパスでも、陸軍兵器補給廠跡という近現代の遺跡があり、広島大学のキャンパスは、さながら遺跡公園のようだ。 総合博物館の埋蔵文化財調査部門は、これらの遺跡を調査・保存・研究する役割を担う。大学が新しく建物を建てたり配管を工事したりする際、いかに遺跡を保護するかを施設部門と協議。必要であれば、工事の立ち合いや発掘調査に足を運ぶ。発掘調査はメンバー全員で実施し、遺跡へのダメージを最小限に抑えるよう注意を払う。旧石器時代から近現代まであらゆる時代の遺跡がある。メンバーそれぞれの専門分野を生かし、幅広い時代・地域の研究をカバーする。 出土した遺物は、埋蔵文化財調査部門展示室(特高受変電所1階)で展示している。常設展のほか、総合博物館の一部門として企画展を開催してきた。近年では、全国の大学における学内遺跡調査・研究についての企画展を実施した。「東広島キャンパスのある西条盆地は、遺跡の多さでは全国有数。古代から暮らしやすい場所であったことを示しています。素晴らしい遺跡を今後も保全し、管理・公開していきたい」と川島准教授は遺跡保護の重要性を語る。 遺跡の存在をより多くの人に知ってもらおうと、教育普及活動にも力を入れている。現在はコロナ禍のため中断しているが、これまでに学部1年生と遺跡や出土品を見学する教養ゼミ、市民と学内の遺跡を巡るフィールドナビ、土器づくり体験などを実施してきた。今後、総合博物館全体としてデジタルコンテンツも充実させていく。「常設展示・遺跡の写真や動画などをWEBサイトで順次見やすく公開する予定です。WEBがきっかけとなり、復元遺跡などキャンパス内の遺跡に興味を持ってもらえたら」と川島准教授は期待を込める。キャンパス内にある多数の遺跡    発掘調査を基に保存・研究13team15

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