HU-plus (vol.15) 2021年度5月号
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食緊急事態宣言下では、特別弁当セットでテイクアウト対応を実施。大学は閉鎖されていても、キャンパス周辺にとどまっていた下宿生は多く、1日平均で約2,850人もの利用がありました。そのほかにも、ゴールデンウイーク中に帰省できない学生のために食堂と売店の特別営業を行ったり、池の上学生宿舎への出張販売を行ったり、さまざまな取り組みが行われました。ミールカード制度※では生協の利用状況を保護者の方が閲覧できるので、コロナ禍でも食事をきちんと取っているという安心材料になったようです。※年間定額で、1日上限利用額まで生協の食堂や売店を利用できる制度緊急事態宣言下の特別営業 出張販売や持ち帰りでサポート 広島大学消費生活協同組合(以下生協)は、ショップ事業部、食堂部、住生活事業部、管理部の4部門で構成されています。私は、専務理事としてその全部門を統括し、経営と運営の両面を管理しています。また、生協の意思決定機関である理事会の運営や、広島大学と生協をつなぐ窓口としての役割も担っています。 2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、例年とは全く違う営業形態となりました。「学びを止めない」という方針のもと、大学の行動指針のレベルに沿って生協の営業形態を策定。大学と密に協議・連携を重ねたおかげで、日々刻々と変わる状況に柔軟に対応し、緊急事態宣言下(2020年4月~6月)でも営業を続けることができました。感染の不安がある中、勤務いただいた生協職員の方々には大変感謝しています。 コロナ禍での営業については、利用者や保護者の方からたくさんのうれしい言葉をいただきました。「生協で食事を取ることが、健康を維持するための生活習慣の一つになっている」という下宿生の声を聞いて、生協が皆さんの生活に根差している重要なものだと実感できました。 入り口前に行列ができ、食堂が多くの学生でにぎわう風景も、今では見られなくなって寂しく思います。「学生の皆さんはどのような生活を送っているのだろう」「きちんと食事を取れているのだろうか」と思いをはせる日々です。戦後は「学ぶことは食うこと」と言っていたものですが、本当にその通りだと実感しています。学生たちが安心して学ぶためには生活環境をしっかり保障してあげることが必要です。コロナ禍は大学での学びに大きな変革を与えましたが、キャンパスは変わらずあり続けるし、そこに集い刺激し合うことで形成される学びも必ずあると思います。新しい生活様式が浸透していく中で、皆さんの生活を支えるためにはどのような生協が必要なのか。社会の変化に対応した営業形態を模索することで、大学の福利厚生を担う責務を全うしていきたいです。広島大学消費生活協同組合 塩﨑 昌哉 専務理事 「学びを止めない」を合言葉に~コロナに負けない広大生活~特 集09

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