HU-plus (vol.14) 2021年度1月号
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   広島大学が近年、学術・教育交流に力を入れてきた地域の一つがヨーロッパだ。この5年間で新たに国際交流協定を締結した大学は10カ国26の大学に上り、リトアニアのヴィータウタス・マグヌス大学、リトアニア健康科学大学とも2017年に相次いで協定を結んでいる。 第二次大戦中、リトアニアの在カウナス日本領事館領事代理だった杉原千畝が、ナチスの迫害を逃れてきたユダヤ人を救うためビザを発給したことで知られるなど、リトアニアと日本の関係も深い。広島大学は、同年にヴィータウタス・マグヌス大学に広島大学リトアニアセンターを設置し、教職員・学生の派遣や共同研究を進めている。18年からは毎年、公益財団法人小丸交通財団、同大学アジア研究センターと共催によりヴィータウタス・マグヌス大学で日本語スピーチコンテストを開催。20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、同大学と広島大学東広島キャンパスをオンラインで結んで実施。当日は、リトアニア大使館のバルブオリス大使夫妻も広島会場に駆け付ける中、日本語を学習する学生や日本語教員ら約60人が参加した。国際交流拠点施設の完成予定図   これまでさまざまな国際化への取り組みを行ってきました。今号では、広島大学の国際化について最新の情報をお届け。  これまでさまざまな国際化への取り組みを行ってきました。今号では、広島大学の国際化について最新の情報をお届け。世界と東広島を結ぶイノベーション・ハブへ。国際交流拠点施設の建設がスタートコロナ禍に負けず、絆深めるリトアニアと結びオンライン日本語コンテストNEWS2大学をして 2020年10月、東広島キャンパスの大学会館東側で、国際交流拠点施設の建設がスタートした。国際交流拠点施設は、東広島市と共に取り組む国際的研究拠点東広島形成の一環として新設。留学生や海外から訪れたトップ研究者と広島大学関係者、企業、地域住民などが交流し、イノベーションを創出する地域の「知の拠点」となることが期待されている。 設計コンセプトは「緑で紡ぐ交流の丘」。既存の並木や丘、小道などを継承する配置計画と7階建ての有機的な建物形状で、持続可能社会を体現するシンボリックな外観デザインとなっている。宿泊施設や開放的な多目的スペース、コミュニティキッチンなどが設けられており、さまざまな目的に合わせて利用することが可能だ。また、建物全体がバリアフリーに配慮した構造となっている。 開設は2021年秋を予定。同施設には、アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院ー広島大学グローバル校のオフィスや、東広島市との連携拠点「Town & Gown Ofce」も入居する。完成後は、世界と東広島市を結ぶグローバルイノベーションの連結点(ハブ)として、さまざまな立場・職種の人々が交流し、アイデアやシーズを創出・具現化できる場となる。学内関係者だけでなく、市民にも親しまれるような、賑わいあふれる施設を目指す。08Hiroshima University Magazine

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