2019年ノーベル化学賞受賞者・吉野彰氏と語る広島大学 学長越智 光夫おち・みつお/1952年生まれ。愛媛県今治市出身。広島大学医学部卒業後、整形外科に入局。1995年島根医科大学教授に。2002年広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授に就任。広島大学病院長を経て2015年から現職。2015年に紫綬褒章を受章。越智:ノーベル賞授賞式の少し前にスウェーデン大使館でお目に掛かったのがご縁で、この対談が実現しました。残念ながらオンラインでの対談になりますが、よろしくお願いします。新型コロナウイルスによって生活ががらりと変わりました。大学は対面の授業からオンライン授業になりましたし、私は散歩が増え、草花に興味を持つようになりました。先生はコロナ禍を通して何か変化はございましたか。吉野:ほとんど在宅勤務でしたので、少し太ってしまいましたね。感染症対策は人類の課題の一つですが、先進国がこれほどの被害に遭うとは誰も思っていなかったでしょう。先進国のおごりに対する戒めのようだと私は思います。地球上にはまだまだ科学的に未知な部分が多く残っていることを再認識させられましたね。ネガティブなデータも大切なプロセス。未曽有のコロナ禍を挑戦のチャンスに。大きく変わった暮らし2020年7月2日、広島大学大学院人間社会科学研究科と大学院先進理工系科学研究科の設置を記念する講演会が広島市内で開催されました。リモートで講演いただいた吉野彰氏と越智光夫学長が対談。ノーベル化学賞を受賞するまでの道のりや研究への向き合い方について語り合い、これからの社会を担う若者世代へのメッセージをいただきました。旭化成株式会社 名誉フェロー吉野 彰氏越智 光夫広島大学 学長東京の旭化成本社にて、特別栄誉教授の称号授与03
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