HU-plus (vol.14) 2021年度1月号
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「小林角筆資料室」が中央図書館地下1階に設置されました。角筆文献を集めた資料室は世界で初めてです。角筆は先端をとがらせた木や竹の筆記具。多くの古文献から、角筆を用いてくぼませて描いた字や絵が見つかっています。角筆研究の第一人者で文化功労者に選ばれた小林芳規名誉教授が、収集した293点943冊の角筆文献を本学に寄贈されたことが設置のきっかけとなりました。今後、角筆研究の継承・発展を目指します。世界初の角筆資料室が誕生角筆による書き込み(カヘシアラハスとある)広島大学病院感染症科の北川浩樹診療講師らの研究グループは、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製)を用いて、中心波長222nm紫外線による新型コロナウイルスの不活化効果を世界に先駆けて明らかにしました。プラスチック上の新型コロナウイルスに30秒間照射すると99.7%が不活化。この波長の紫外線は、人体に安全とされており、コロナ感染対策への活用が期待されます。波長222nm紫外線がコロナウイルスの不活化に効果記者会見を行う大毛宏喜教授(左)、北川診療講師(右)大学院国際協力研究科に在籍する内田涼さんと梶下佳成さんが、現地スタッフと協力し、スリランカ民主社会主義共和国でNPO法人「マザーランドランカ」を設立しました。活動理念に賛同した大手化粧品メーカー株式会社アルビオンの支援のもと、内戦の主戦場であった北部州において、ハーブなどの有用植物を栽培。持続可能な開発の促進・平和構築につなげていくことを目指しています。大学院生がNPO法人を設立スリランカで平和構築活動をスタートプロジェクト候補地を視察する内田さん(右端)9月30日、クラウドファンディング「原爆被爆者の記録を後世へ:標本データベース化プロジェクト」が終了しました。当初の目標金額を大きく超える約460万円のご支援をいただきました。世界的に貴重な資料である原爆被爆者の組織標本を経年変化による劣化から守り、後世へつないでいくため、デジタル化する活動を進めていきます。原爆被爆者の記録を後世へ劣化進む標本のデジタル化へ左:退色が進んだ被爆者の標本、右:新しい標本被爆から75年を迎えた8月6日、東千田キャンパスで「原爆死没者追悼式」と「平和企画」を行いました。追悼式は、原子爆弾により亡くなった前身諸学校の教職員、学生らの霊を慰めるため昭和49年から行われています。平和企画では、多国籍の学生12人が起草した「学生ヒロシマ宣言」を発表。被爆樹木等を材料にしたビオラの披露やミニコンサートも開催し、平和への願いを新たにした一日となりました。原爆死没者追悼式・平和企画を挙行学生ヒロシマ宣言を発表した学生たち大学院先進理工系科学研究科の小池みずほ助教らの研究グループは、火星と木星の間にある小惑星ベスタ由来の隕石の年代を測定し、大量の隕石がベスタに衝突したのは、約44~41.5億年前であることを初めて示しました。地殻変動や風化の影響がない小惑星は初期の太陽系を知る手掛かりとなります。今回の成果は、従来の仮説である約39億年前よりも早く太陽系で、活発な隕石衝突があったことを示唆し、地球を含めた太陽系の歴史の解明につながると期待されます。 太陽系大量隕石衝突は従来予測より数億年さかのぼる小惑星の痕跡から発見隕石の電子顕微鏡写真の例教育・研究平和26Hiroshima University Magazine

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