私もです広島大学を卒業・修了後、各業界で活躍されているOB・OGの方々に学生がインタビュー。現在のお仕事と大学時代を語っていただきました。広大広大学生レポ! もともとは高校の体育教員を目指していましたが、採用試験に落ちて広島県警に就職。警察官の仕事はやりがいがありましたが、東京の警察大学校で受けた半年間の体育研修が人生の転機となりました。警察学校の教官として警察官の体力向上訓練を担当したことをきっかけに、再び指導者の夢を追いかけることに。トレーニングジムを開設・運営する、株式会社アスリートを設立しました。社名をアスリートにしたのは、単なるフィットネスクラブではなく、競技に関わる人の役に立ちたいという思いがあったからです。 当ジムのこだわりは、本物志向。正しい知識と理論で、それぞれのスポーツに適した指導をしています。例えば、運動量の多いサッカーは心拍数を意識したトレーニング、運動量が少なく瞬発的な動きを要求される野球はスクワットなどによる筋肉増強を重視します。創業して約30年、プロアマさまざまなジム会員の協力の下、試行錯誤して今の指導法が出来上がりました。 これまで300人以上のプロアスリートのトレーニングに関わってきました。プロ野球選手では、カープの元監督・野村謙二郎が会員第一号。彼が年々活躍していくのを見るのはうれしかったですね。トリプルスリーを達成してくれ、「パワフルで動ける」選手の輩出を目指していた私には喜ばしい限りでした。 ジムには、私のようにトレーナーになりたいという学生も訪れます。しかし残念ながら、トレーニングの基礎を正しく理解している学生はごくわずかです。大学や専門学校などの指導者養成機関に正しくトレーニング指導できる教員が極めて少ないのでしょう。そのため、これからは指導者育成に尽力したいと思っています。 私の指導は長年学んできたアメリカ仕込みです。初めて海外に行ったのは、警察官を辞めた直後。本場のトレーニングを学ぶためにアメリカへ行った時のことでした。1931年に完成したニューヨークのエンパイア・ステート・ビルを見て、「日本が戦争への道を歩んでいたころ、アメリカではこんな高層ビルができていたのか」と衝撃を受けました。以来、ジム会員にも刺激を受けてもらいたくて、頻繁に海外研修に連れて行っています。海外旅行や留学は、自分の価値観を変えてくれるので、時間に余裕のある学生のうちにぜひ経験してほしいですね。そして、私のように大人になって後悔しないよう、英語だけはしっかり勉強しておくと良いでしょう。 大学時代は社会が認めた4年間の「治外法権」期間のようなもの。後輩たちには勉強以外にもいろいろなことにチャレンジしながら、将来やりたいことを見つけてほしいと思います。警察官から指導者の道へ本物志向でプロ選手を輩出ひらおか・ようじ/広島大学教育学部高校体育科1977年度卒業。広島県警察官を経て、トレーナーに転身。トレーニングの本場アメリカで研修を積み、1989年にトレーニング事業会社・株式会社アスリートを設立。これまで金本知憲氏、新井貴浩氏、丸佳浩氏らプロ野球選手をはじめ、300人に及ぶトップアスリートを指導してきた。JOC強化スタッフ、フィットネスコーチなどを歴任。本場で学んだトレーニング法を若い世代へ伝えたい歯学部4年さん佐々木 香奈栄Report学生広報ディレクターこれからのビジョンとして、「指導者にきちんとした指導方法を教えたい」とおっしゃっていたのが印象的でした。これまで平岡さんがアメリカで学ばれてきた技術や指導方法が、もっと多くの指導者やアスリートの方たちに伝わり、日本のスポーツのレベルがもっと上がってほしいと一スポーツファンとして感じました。平岡 洋二株式会社アスリート 代表取締役教育学部 出身さん19
元のページ ../index.html#20