私もです広島大学を卒業・修了後、各業界で活躍されているOB・OGの方々に学生がインタビュー。現在のお仕事と大学時代を語っていただきました。広大広大学生レポ! ドローンを使った高密度測量や精度の高い画像解析を行うルーチェサーチ株式会社を2011年に設立。土木の工事現場や災害時の現場調査などに役立てています。ドローンというと、空を飛ぶラジコンといったイメージしかないかもしれません。しかし社会に貢献できる使い道が大いに期待されています。 世の中にドローンが登場したのは15年程前。撮影が主な使途でしたが、約10年前に自然環境に対して技術応用を始めました。新しい市場のため、機体の販売以外で事業化している企業はまだまだ少ない。その中でルーチェサーチは、世界でも珍しく機体の開発設計・製造から、現場での測量、画像解析まで自社で一貫して行っています。橋梁点検や河川調査、農薬散布など、土木・建築・農業・林業の多様な領域で、開発した機体や技術が活用されています。 近年の大規模災害時にも何度も出動しています。2014年の広島豪雨災害では、国土交通省の要請を受けて現場を測量。2016年の熊本地震では、レーザー測量を用いて地割れを解析し、捜索活動の判断材料を1時間で提供しました。ドローンでの測量は、人が足を踏み入れることができない危険な場所でも計測することができ、かつ調査時間を短縮できるため、災害時の迅速な対応につながります。滞空時間や機体の大きさなど、現場には考慮すべきことがたくさんあります。広島大学との共同実験や、海外のベンチャー企業との共同開発も行いながら、現場の知識を組み込み、本当に必要とされるものを生み出していきたいです。 当社のコンセプトは「現場の課題解決」。現地の情報があれば、これまで足を運んで実施していた仕事が事務所で可能になります。AIやロボットが注目される昨今、業務のロボット化・効率化は重要な観点だと思います。 大学時代は総合科学部で学びました。当時は地理学を専攻しながら、自分のやりたいことを探していました。起業のきっかけは、「社会課題の解決がしたい」という思い。ドローンを仕事にしようと思ったのではなく、課題解決の手段の一つがドローンだったということです。 現在でも、営業やマーケティング、技術面など日々学び続けています。今自分に起きていることは、必ず学びや成長につながります。大学時代から、目の前のことにきちんと取り組み、さまざまな経験をしていくことが成功のカギだと思います。ドローンを使った画像解析を駆使し現場の課題を解決したいわたなべ・ゆたか/広島大学総合科学部2004年度卒業。2011年にルーチェサーチ株式会社を設立。広島と東京に拠点を置き移動体計測、特にドローン(UAV)による地形測量、構造物点検及び三次元解析を行う。2014年8月の広島豪雨災害での貢献が評価され、同年9月に首相官邸でドローンのデモンストレーションフライトを行うなど、業界の先駆者として活躍する。2016年、高精度の地形解析が可能なドローンレーザー測量を世界で初めて実用化し、第7回ロボット大賞(国土交通大臣賞)を受賞。国土交通省の推奨技術認定も受ける。目の前のことにきちんと向き合うことが将来の学びにつながる教育学部4年さん貴船 桃佳Report学生広報ディレクター人間の手が届かない部分を補ってくれるドローンは、「孫の手」のような存在だと感じました。常に「現場に役に立つものを提供したい」という一心で開発に取り組まれている渡辺さんだからこそ、西日本豪雨のような非常時でも活躍できる「孫の手」を次々と生み出すことができるのだと思いました。渡辺 豊ルーチェサーチ株式会社 代表取締役総合科学部 出身さん19
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