HU-plus (vol.13) 2020年度8月号
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キーワード:学術論文、 レポート執筆人数:大学院生11人、専任教員2人連携部署:図書館部、学術・社会連携部設置:2013年4月DATA河本 健 (かわもと たけし)特任教授広島大学ライティングセンターREPORT潜入チーム広大大学院生のチューター、専任教員らが個別相談論文からレポートまで日英両語に対応 大学入学後、学生がぶつかる壁がレポートの作成だ。中等教育で馴染みのないレポートの課題を言い渡されて「どうやって書けばよいのか」と悩んだ人も多いのではないだろうか。とりわけ英語ならなおさらだろう。広島大学のライティングセンターは、そんな学生の悩みを解消する機関。レポートをはじめとするさまざまな学術文章作成の個別相談を受け付けている。主な業務は大きく2つ。1つはチューターが担当する、レポート課題や卒業論文の「ライティング相談」。もう1つは専任教員とアドバイザー・フェローが担当する、投稿論文や学会抄録、学会発表原稿などの「英語論文作成相談」。それぞれ年間400件以上の相談が寄せられる。また、学術文章作成に関するセミナーやワークショップも定期的に開催している。 センターの強みは、構成員の多様性だ。チューターは、学術文章作成の関連授業で募集した大学院生で、留学生も在籍。日英の2カ国語に対応しており、さまざまな分野の論文相談を受けている。「学生たちは情熱を持って取り組んでいます。知識や経験が豊富な教育系の学生が多いのが、広島大学の強みです」と話すのは副センター長の河本健特任教授。学生たちは週1回ミーティングで、指導法についての議論やスキルアップのための研修を自主的に行っているという。 個別相談にあたって、メンバーが心掛けているのは「添削」をしないこと。一方的に正解を教えるのではなく、ヒントを出しながら分かりやすい文章にする方法を相談者と一緒に考える。「よく課題となるのが、文章の流れや論理性。情報を箇条書きのように羅列してはだめです」と河本特任教授は指摘する。 「当センターの使命は、学術的文章を書くスキルを身に付けるお手伝いをすること。そして広島大学発の論文数を増やすことです。いろいろな事情で投稿論文まで至らない研究は多いですが、論文として形に残さないと研究者としても大学としても評価されません。せっかくの研究成果が埋もれてしまわないよう、サポートをしていきたいと思います」学術文章作成のコツを伝授し     研究成果の発信に貢献09team15

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