HU-plus(vol.09)2019年度5月号
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大学は人生のターニングポイント本日は貴重なお話をありがとうございました。06Hiroshima University Magazineらい、その資料を見て次のテーマを考えます。テーマが決まったら現地に行って、取材し、写真を撮ります。漫画にするために、取材時はいつも写真を撮らなければいけない。マグロの養殖だったらマグロの生け簀も撮らなければいけないわけです。大変ですが勉強になりますし、いろんな新しいことに巡り合えるので楽しみながら取材しています。越智:世界が広がって良いですね。主人公の島耕作さんに託された思いはありますか?弘兼:僕たちはクリエイターなので、高邁な思想を持って漫画を描くことはあまりありません。メッセージを伝えようという気持ちはなく、とにかく面白い漫画をつくりたいと思っています。ただ、作中の台詞は「自分がその現場にいたら」という観点から考えています。そのため、島耕作は自分と同い年にしているんです。課長時代を描く時は、まだ松下電器に残っている同期に電話をかけて、話を聞きました。情報源は同期の人たちが多いですかね。越智:弘兼さんにとっての人生のターニングポイントを教えてください。弘兼:やはり松下電器を辞めて転職した時でしょうか。どんな人にも3回ほど訪れると思います。一つは大学を選ぶ時。理系か文系か進む学部によってかなり違います。二つ目は会社に入る時。三つ目が入社後に転職する時。僕の場合はその三つ目でうまくいったと思っています。越智:もし別の人生を歩んでいたらどんな仕事をされますか?弘兼:料理人になりたいですね。最近、料理の本も書きましたが、作るのも食べるのも好きなので。越智:最後に広島大学の学生に対して、大学で学んでおくべきことは何か、メッセージをお願いします。弘兼:人間関係を築くことを大切にしてください。人間は大なり小なり組織の中で生きていく生き物ですから、コミュニケーションがかならず必要になります。大学には国内外を問わずさまざまな背景をもつ人が集まっています。そうした人たちとどれだけコミュニケーションできるかが大切ですね。会社に入ると年齢が離れた同僚がいますし、隣にいる人が大嫌いな性格かもしれないですよね。それでも仕事を進める上での人間関係を築かなければいけない。その力を身に付けることは勉学と同じくらい大切だと思います。越智:そうですね。広島大学は日本人学生だけでなく世界各国からの留学生や学び直しの社会人学生も多く在籍します。学生たちにはぜひこの環境を生かして、さまざまなタイプの人とコミュニケーションをとってもらいたいと思います。「自分がどう生きるか、イメージしながら過ごしてほしい」と学生たちにエール『島耕作』シリーズの名言から学ぶ人生のヒント多くのビジネスパーソンに読み親しまれてきた『島耕作』シリーズ。さまざまな苦難を乗り越えて出世街道を歩んだ島耕作の物語から人生のヒントとなる名言をいくつかご紹介します。無責任なようだけどやるだけやってみようじゃないか手をこまぬいているよりまず実行だ『課長 島耕作』13巻挑戦の大切さいろんな苦情を聞いても決して否定的にはとらえないようにしようと思う『取締役 島耕作』2巻うまく付き合うこと人生は自分で動かすものだこれから死ぬまで誰かに指図される人生で君は幸せか?『課長 島耕作』9巻「自分」を持つこと
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