HU-plus(vol.09)2019年度5月号
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スマホやネットの見過ぎによる夜更かし、そして授業中の眠気…。大学生は睡眠が乱れやすい年齢層であると言われています。「睡眠は身近であるがゆえに、誤った知識が広まりやすい。学生たちは『6時間寝ればじゅうぶん』と認識しているようですが、これには何の根拠もありません」と語る林光緒教授。林教授の人気講義「睡眠の科学」では学生が睡眠に関する正しい知識を身に付けること、さらには学生の生活習慣の改善を目標としています。 講義では睡眠のメカニズムや仮眠の効果、睡眠と夢など、眠りに関連する内容を幅広く学習します。時にはどうしても受講中に居眠りをしてしまう学生を観察対象として学びに活用することも。その中でも人気は睡眠に関する『10クエスチョン』。「冷え性の人は寝る前にぬるま湯に軽くつかるとよい?」「睡眠中にトイレに行きたくならないように、寝る前は飲水を控えた方がよい?」などの〇×問題を通して正しい知識を身に付けます。その他、金縛りのメカニズムや居眠り運転を防ぐ自動運転技術などの睡眠に関する雑学も学生からの反響は大きいです。講義の際、答えを表示して書き写すだけの「作業」になってしまうことがないよう、スライドに正解は表示しません。学生たち自身が緊張感を持ち、深く考えることで知識を身に付けられる講義です。 そしてこの講義の一番のポイントが体験学習である「睡眠日誌」。4週間にわたって毎日、①起床・就寝時刻、②熟睡感や日中の眠気の度合いを記録することで自分の睡眠スタイルを見直します。最初の2週間で自分の現状を把握し、次の2週間でその改善を行います。学生の場合、最大の問題は睡眠リズムの乱れ。朝、決まった時刻に起床し光を浴びることが重要です。そしてもう一つの問題が夜の睡眠を妨げる「昼寝」。これらに注意することで日中の覚醒レベルが高くなり、1日の充実感は格段にアップします。最初は半信半疑の学生からも、講義を終えるとその大きな変化に驚きの声が寄せられます。「睡眠日誌」を通して学ぶべきは睡眠リズムの直し方。体をいつでも健康な状態に戻す術を学び、生活を好転させましょう。私が受けた教養教育の講義の中で、実生活に直接役立ったと感じた講義です。大学生になり一人暮らしを始め、軽視しがちだった睡眠に対する意識を変えることができました。広大学生広報ディレクターがおすすめする広島大学の「ぶち」おもしろい講義を各回ご紹介します。バラバラの睡眠リズムが担当教員:学問分野: 教科区分:林 光緒 教授社会科学/心理学教養教育学生広報ディレクター総合科学部 3年さん山本 昌奈実ぶち広大講義睡眠の科学「6時間寝ればじゅうぶん」は実は誤った睡眠知識?!受講者約200人の人気講義で正しい睡眠を学ぶとても(広島弁)17vol.01おもしろい【】(総合科学研究科行動科学講座)Student’s Voice!→Before安定して昼間も元気に!After睡眠日誌睡眠時間日中もウトウト
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