HU-plus(vol.09)2019年度5月号
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国籍の壁を超えるアットホームな学び場学問分野:社会科学 / 教育学 / 教育社会学キーワード:国際教育協力、事業評価、プログラム評価人数:大学院生9人その他連携施設:ザンビアなど、AAD※のメンバー大学01teamDATA石田 洋子研究室教育開発国際協力研究センター(CICE)REPORT潜入チーム広大 セネガル、マダガスカル、インドネシア、中国、日本…。国際協力研究科(IDEC)の学生が集まる石田研究室は実に国際色豊かだ。研究テーマは「途上国の学びの改善」。教員や行政官など現場経験者も多く、理論を実践につなげる研究に専念する。教員の動機付けのあり方や教育への地域の関心を高めることなど目標は多様。それぞれが直面してきた課題を改善するため、母国や日本の教育をテーマに学んでいる。研究室は、遠慮せずに互いに指摘し、意見を出し合える刺激のある環境だ。集めたデータや経験を共有し各国の特徴を比較することで、さらに研究の価値を高めている。 指導する石田教授は、日本の政府開発援助(ODA)を中心に開発コンサルタントとして25年間活動。専門はプロジェクト評価で、ザンビアやネパールなどの国において国際協力の成果を分析してきた。石田教授が所属する教育開発国際協力研究センター(CICE)はアフリカやアジアの30大学と大学間ネットワーク※を運営するほか、持続可能な開発目標(SDGs)などに関する国際セミナーを開催。研究室の学生にも積極的な参加を促し、大学間の交流を進めている。 自国の料理を持ち寄ったパーティーや、サッカーや野球などのスポーツ観戦を通した親睦も盛んだ。 広島大学は教員教育に軸足を置く大学であり、国際化の推進により異文化理解を深める機会が多いため研究の視野も広がっているようだ。 研究室の目標は、途上国の子どもたちのために学びの質を改善し、SDG4「質の高い教育をみんなに」の達成に貢献すること。石田教授は「さまざまな国の教育の長所・短所を共有・分析し、自国の教育改善のあり方を考え、実践する知見やスキルを身に付け、教育行政や教育現場の改善にリーダーシップを担う人材になってほしい」と語る。※アフリカ・アジア大学間交流ダイアログ国際ネットワークを生かして地球規模の課題に立ち向かう基礎教育拠点の広島大学で、目指すは「途上国の学びの改善」15

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