HU-plus(Vol.8)2018年12月号
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Take Action文学部 人文学科 欧米文学語学・言語学コース 4年佐々木 直輝首都ウランバートルのチンギス=ハン広場。革命家スフバートル像の向こうには高層ビルが立ち並ぶ 遊牧民やゲル、馬や大草原。日本人のイメージするモンゴル人は自然の中で悠々と暮らす人々。まず最初に思い浮かぶ人物と言えば「チンギス=ハン」やモンゴル人力士だ。不思議に思うかもしれないが、実は私の出身ウランバートルは、ショッピングや夜景を楽しむことができる、いわゆる都会なのだ。もちろん、どこまでも続く草原で馬に乗る経験もできる。雄大な自然、都会の楽しみ、両方を兼ね備えた魅力的な国なのだ。 そんなモンゴルから初めて日本に来たのが、高校生のとき。どんなに当たり前のことでも、感謝することの大切さを学び、手帳いっぱいに感謝したことを書きためている。そして今年、広島大学の総合科学部国際共創学科(IGS)に入学した。約20カ国の学生と毎日一緒に過ごし、日々、一人一人から新しいことを学んでいる。ある日は、単純な恋愛話が、社会問題やジェンダーの話に発展した。またある日は、一人の日本人学生が何気なく口ずさんだ「幸せなら手をたたこう」にみんなが加わり、さまざまな言葉の歌が部屋中に響いた。そんな楽しそうな声と笑顔があふれるIGSは私たちのホームだ。国、文化、言語が違っていても分かり合い、みんなで幸せそうに手をたたけるような毎日が私は大好きだ。学生が世界中から集まるIGSが私たちのホーム総合科学部 国際共創学科1年ガンフヤグ・エルデネソロンゴ(モンゴル)留学紀行●留学先:アメリカ・ネバダ大学リノ校●留学期間:2017年8月~2017年12月●HUSAプログラム※を利用※広島大学短期留学交換プログラム(Hiroshima University Study Abroad Program)は、学部生・大学院生が大学間学生交流協定などに基づいて母国の大学に在籍しながら 留学先大学で現地の学生と同じ授業を受講し、単位修得を目指す制度。リノの夕暮れ。自主練習に励んだ日々 「自ら行動を起こせ」。この言葉は、私がアメリカ・ネバダ大学留学中、常に自分に言い聞かせていた言葉だ。自分次第で日常の濃さが変わる、特に留学では。 この言葉の持つ意味を強く実感した出来事がある。勉強で忙しい毎日のリフレッシュのために、ネバダ大学のサッカー部に入部した時のこと。私はそこで、カルチャーショックを受けた。アメリカっぽいと言えばそうなのかもしれないが、彼らのプレースタイルは、フィジカル勝負で、パスが少ない。幼い頃から日本のサッカーしか知らない私にとって、衝撃的なものだった。当然、自分にボールはまわってこない。戦力になれない悔しさをばねに、気持ちを切り替えた。彼らに比べて体格の小さい自分が試合に出るには、同じ土俵で戦っていてはだめなのだ。正面からぶつかるのではなく、技術で相手を翻弄する。私は、自分の強みを示して、自らの個性を発信し続けた。その結果、公式戦でエースナンバー10番をもらい、チームメイトや監督・コーチからの信頼も得ることができた。 自ら行動を起こすことで世界は広がる。受動的になるのではなく、能動的に行動すること。この思いのもと、常に自分で自分の世界を切り開いていきたい。ほんろう018
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