HU-plus(Vol.7)2018年8月号
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考広大教育現役の国家公務員に仕事や生き方を学ぶ講義「現代霞が関論」「霞が関論1・2」 2017年度に法学部の専門教育科目として開講した「現代霞が関論」。講師に中央省庁などから幹部職員をゲストスピーカーとして招へい。現職の幹部職員のキャリアパスや実際の公務などについて直接話を聞くことができる講義です。他学部も含めた履修登録者が500人を超えたため、通常の講義室では収容できなくなり、サタケメモリアルホールを教室とするほど大盛況となりました。2018年度も引き続き「霞が関論1・2」として開講し、好評のうちに終了しました。2019年度からは教養教育科目としての開講を検討しています。広島大学副学長補佐(キャリア支援担当)大学院社会科学研究科准教授(行政法学)折橋洋介●2018年度の「霞が関論1」「霞が関論2」講師一覧(4月~7月実施)※講義実施順●内閣官房内閣人事局企画官(機構総括) 西澤能之氏●文部科学省初等中等教育局教職員課教員免許企画室長 長谷浩之氏●財務省国際局地域協力課長 高村泰夫氏●消費者庁総務課長 金子浩之氏●警察庁長官官房企画官兼人事課理事官 羽石千代氏●経済産業省商務情報政策局総務課政策企画委員 今里和之氏霞が関論1●運輸安全委員会委員(常勤) 石川敏行氏●人事院事務総局人事課長 幸 清聡氏●厚生労働省大臣官房人事課長 山田雅彦氏●外務省軍縮不拡散・科学部軍備管理軍縮課主査 木越寿人氏●法務省入国管理局警備課長 君塚 宏氏●文部科学大臣補佐官 鈴木 寛氏(7月6日現在)霞が関論2学生に生の情報を届けることで地方の優秀な人材を“霞が関”に 行政法を専門とする折橋洋介准教授により、学長裁量経費の支援と、グローバルキャリアデザインセンターの協力のもとに始まった2017年度の「現代霞が関論」、2018年度の「霞が関論1・2」。開講のきっかけは、広島大学は公務員志望の学生が多いわりに、国家公務員総合職を目指し、内定していく学生が少ないことでした。毎年、3月に行われる人事院主催の説明会は岡山で開かれることが多く、情報を得るためにはお金も時間もかかるのが現状でした。そこで「広島大学の学生に霞が関の生きた情報を」と霞が関に幅広い人脈を持つ折橋准教授が中心となって開講準備が進められ、講義がスタート。受講した学生からは「国家総合職について知ることができた」「全く知らなかった霞が関の仕事についてよく分かった」「日本の行政の仕組みへの理解を深めることができた」と大好評だっただけでなく、講師の方々からも「国家公務員の仕事は日本全体を考える仕事。特に地方の現状を理解している広い視野をもった学生にぜひチャレンジしてほしい」と広島大学の学生に熱い期待を寄せていただいています。広島から見ると、東京でしていることは遠い世界のことと感じがち。この講義のように、実際に省庁で働く人の話を聞くことができれば、親近感も湧き、自分も目指せる世界なのだと感じてもらえると思います。私も大学3年生の時、説明会に参加し、講師のお話が自分にぴったり合って警察庁に決めました。働くことは生きがいの一つ。学生の皆さんには、自分に合った、生きがいを感じられる職業に就いてほしいですね。国家公務員の世界にも、ぜひ来てほしい。“世の中を良くする仕事に携わりたい”という思いがあれば、誰もが活躍できる場所です。法学部3年 城西裕太さん公務員志望ですが、具体的な省庁などは決まっていないので、国で精力的に仕事をされている方の話を直接聞けるのは、将来を考えるいい機会になっています。羽石さんは子育ても海外留学もされていて、警察庁は女性が働きやすい職場だと思いましたし、業務自体を身近に感じるようになりました。法学部3年 中西朝子さん国家公務員を志望しています。警察庁は危険なイメージがありましたが、女性が活躍されていることに驚きました。講師に学生が質問することもできるので、他の学生の考えを知ることもできて面白いです。霞が関は広島から遠いけれど、お話を聞いて自分が働く姿を想像できるようになりました。1998年入庁、海外留学、都道府県警察本部課長や警察庁課長補佐、警察署長、警察庁理事官を経て講義時は警察庁長官官房企画官兼人事課理事官を務める。その間、2度1年間の育児休業を取得している。警察庁長官官房企画官兼人事課理事官羽石千代氏●講義を終えて●講義を終えて「霞が関論1」第6回講師学生の声015

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