HU-plus(Vol.6)2018年4月号
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 日本、特に広島大学は私にとって特別な場所だ。「中国人のフィアンセと出会ったからでしょ?」と友人にからかわれそうだが、確かにそれも大きな理由。昨年、留学生同士で国際結婚した。ベネチア大学の修士課程に在学時、広島大学との交換プログラムに参加したのが最初の留学。日本とイタリアを比較しながら「農村社会学」「持続可能な農業」を研究するには最適の場所だった。帰国後、再び広島大学でじっくり学ぼうと、5年制コースの「たおやかで平和な共生社会創生プログラム」へ入学して今に至る。 さて、「イタリア」と聞いて、あなたは何をイメージするだろうか?「ローマの古い建築物」「ベネチアの大運河沿いの美しい町並み」「とろけたチーズがたくさんのったピザ」「陽気な性格の国民性」。ざっとこんなところだろうか。しかし実際には、イタリアの北部・中央部・南部ごとにそれぞれ特色が異なる。ピザと言えば南部で有名であったり、北部出身の人は比較的恥ずかしがり屋であったりする。意外かもしれないが、主食はパスタ以外にもリゾットにしてお米を食べる習慣もある。 有機農業先進国イタリア。これも日本ではあまりなじみのない顔かもしれない。ヨーロッパでは特に、化学肥料を使わず、遺伝子組み換えを行っていない作物に関心が高い。有機栽培農家が開く市場では、トマト一つをとっても色・形・大きさ・味の違いに触れることができ、かつ栄養価はどれも高い。私の地元フェルトレが位置する北部では、チーズ作りが盛んだ。Malga(マルガ)と呼ばれるれんが造りの小屋には牛舎が併設され、ウシ・ヒツジ・ヤギの乳100%で作られる。ぜひ日本人にも味わっていただきたい。 広島大学のキャンパスがある街・西条は日本酒の生産で有名。風土が酒造りに最適と聞く。自然を感じる町並みや研究で訪れた地元農家との交流がこの地へ特別な愛着を感じさせるのだ。日本人の知るイタリアは部分的、地域ごとの多様な顔がある。国際協力研究科 たおやかで平和な共生社会創生プログラムシモーナ・ゾレット Simona Zolletヨーロッパを貫くアルプス山脈ふもとにマルガが建つ。夏は緑が豊かで酪農に最適な気候となる有機栽培農家が主催する市場にて。各農家自慢の多種多様なトマトが並ぶ留学紀行編集・発行 : 広島大学 財務・総務室 広報部 広報グループ〒739-8511 東広島市鏡山1-3-2 TEL:082-424-6762 FAX:082-424-6040E-mail:koho@oce.hiroshima-u.ac.jphttps://www.hiroshima-u.ac.jp100年後にも世界で光り輝く大学へ(写真は夫の渠濛さん提供)

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