HU-plus(Vol.6)2018年4月号
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「マルチビタミンB₁₂かいわれ」●株式会社村上農園必須成分を含ませた野菜で手軽な栄養摂取を可能に。広大の教員と学生のアイデアから生まれた、広大発の商品をご紹介します。次号(Vol.7)は、2018年8月発行予定です。設するのかといった経緯についても興味があります。未来を担う学生にとって説得力のある答えを探していきたいと思いました。●東京都稲城市・30代・主婦≪編集部から≫今号の広大教育考で情報科学部について取り上げました。また、広島大学公式ウェブサイト「学部・大学院等」のページからも新学部・新学科についての最新情報を発信しておりますので、ぜひご覧ください。■ ■ ■東広島市に在住しており、たまたま市の施設で見かけて手に取りました。学生時代を懐かしむとともに、経済的な理由で断念した大学院進学に対する意欲が再度湧いてきました。仕事や子育ての合間に勉強をし、何年か先になると思いますが、挑戦したいと思います。●広大OB・OG・高校教諭・地域の方≪編集部から≫大学院社会科学研究科マネジメント専攻では、学修・研究に至便な立地環境で昼夜開講を行っています。広島市内の中心に位置し、利便性に優れた東千田キャンパスに開設された都心型大学院です。また、大学院文学研究科(博士課程前期)では「社会人学び直しプログラム特別選抜」入試も行っています。広島大学公式ウェブサイト「学部・大学院等」のページからご覧ください。■ ■ ■読む前は、軽い内容の広報誌なのかなと思っていましたが、読み応えのある充実した内容で良かったです。ですが、全体的に堅い印象を受けるので、もう少し軟らかい内容の記事があっても良いのではと思いました。●兵庫県宝塚市・40代・公務員≪編集部から≫貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。今号では、キャンパス散歩・HU-styleのページで写真の点数を増やしております。広島大学総合科学部のOBでもある代表取締役の村上清貴さん。「ブロッコリースーパースプラウト」や「マルチビタミンB₁₂かいわれ」など、高い栄養素を含む「機能性野菜」という市場に挑み続けています。マルチビタミンB₁₂かいわれカイワレ大根のビタミン、ミネラル分や食物繊維はそのままに、野菜や果物には含まれないビタミンB₁₂を含んでいます。一般のカイワレ大根と同じ味、同じ調理法で手軽に毎日の食事に取り入れることができます。2年の共同研究で国内初の量産化に成功 広島大学の佐藤一精教授(当時、現在は名誉教授)は、国内における『ビタミンB₁₂』研究の権威で、野菜にビタミンB₁₂を含ませる研究に取り組んでいました。ビタミンB₁₂はレバーや魚介類などの動物性食品に含まれるもので、赤血球の形成を助ける栄養素です。不足すると貧血につながるため、体には必須の栄養素ですが、野菜を中心とした食生活を好んだり、ダイエットしている方では不足する傾向があります。 佐藤教授は2002年に研究室でビタミンB₁₂を含むカイワレ大根を作ることに成功しました。次の課題は量産化です。「安定してビタミンB₁₂を含む野菜を量産し市場に提供したい」。そこで村上農園に「野菜では摂取できないビタミンB₁₂を含んだカイワレ大根を商品化したいと考えています。共同研究しませんか?」と持ちかけました。 村上農園は2002年当時、すでにアメリカのジョンズ・ホプキンス大学とライセンス契約を結んで、抗酸化や解毒といった身体の防衛機能を高める働きがある「スルフォラファン」を高濃度に含む「ブロッコリースーパースプラウト」を生産し、発売していました。ただ、ビタミンB₁₂を含むカイワレ大根の量産化には製造方法やコスト面で課題も多く、共同研究は2年にも及びました。そして、ついに2004年に国内で初めてビタミンB₁₂を含む野菜の量産化に成功したのです。 カイワレ大根はもともとビタミンやミネラル、植物繊維を豊富に含んだ野菜であるため、「マルチビタミンB₁₂かいわれ」と命名。わずか3分の1パックで成人が1日に必要な量のビタミンB₁₂を手軽に摂取できる野菜として、全国の主なスーパーマーケットで販売され、好評を得ています。030

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