HU-plus(Vol.3)2017年4月号
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 “Let’s have ka!”(フィカの時間にしよう)。スウェーデンの人々は、『フィカ』と呼ばれる〝コーヒーとお菓子の時間〞を大切にしている。学生であろうと社会人であろうと、毎日欠かさず同僚や友人、家族と共にそうした時間を設けるのだ。日本人も「お茶しようよ!」とカフェに行くことはよくあるが、日本でいうところのお茶とは少し意味合いが異なる。ただコーヒーを飲むだけではない。友人や同僚とほっと一息つきながら、目の前の相手と向き合って対話を楽しむことをいちばん大切にする。だから、フィカのときは誰も電話やメールに一切反応しない。一方、日本ではどうだろうか。家族や恋人と食事をする時でさえ、テレビを見ながら、スマホを触りながらになっている人が多いように思う。 フィカを通して、私は留学中にたくさんの人々と語り合うことができた。教授や職員、学生、みんなが集まってコーヒーとシナモンロール(スウェーデン名物)を頼んで、行きつけのカフェでおしゃべりするのが、何よりの楽しみだった。彼らはとてもフレンドリーで、話しかければ誰もが優しく応えてくれる。雰囲気作りの上手さや対話能力、あたたかい性格に私はいつも感銘を受けた。それらは毎日のフィカで磨かれたのだろう。いずれは日本で大規模なフィカイベントを開いてみたい。そして、もっと多くの人にスウェーデンの魅力を知ってもらいたい。『フィカ』が育んだスウェーデンの人々のあたたかな心。総合科学部総合科学科人間探究領域4年山根 百絵 Momoe Yamane中世の古い町並みが残るストックホルムの市街地(写真は本人提供)留学紀行編集・発行 : 広島大学 財務・総務室 広報部 広報グループ〒739-8511 東広島市鏡山1-3-2 TEL:082-424-6762 FAX:082-424-6040E-mail:koho@oce.hiroshima-u.ac.jphttp://www.hiroshima-u.ac.jp100年後にも世界で光り輝く大学へ●留学先:スウェーデン・マルメ大学 ●留学期間:2015年7月~2016年2月●HUSAプログラム※を利用※広島大学短期交換留学プログラム(Hiroshima University Study Abroad Program)は、学部生・大学院生が大学間学生交流協定などに基づいて母国の大学に在籍しつつ、留学先大学で現地の学生と同じ授業を受講し、単位修得を目指す制度。

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