HU-plus(Vol.3)2017年4月号
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第1特集◎常識の先をゆく広大イノベーション中国・四国地方で最大規模。増え続ける蔵書の保管に対応。●中央図書館自動書庫システム体内の3D画像を見ながら、遠隔で4本のアームを操作。最先端の手術ロボ、2台体制へ。●内視鏡手術支援ロボット(ダヴィンチXi) 広島大学病院では、中国・四国地方で初めて導入した2010年に続き、2台目になる『内視鏡手術支援ロボット・ダヴィンチXi』が今年1月から稼働しています。泌尿器科の松原昭郎教授によると「ダヴィンチは執刀医の手先の動きを4本のロボットアームを介し、忠実に再現します。数ミリ程度の穴からアームを体内に入れ、執刀医が離れた場所から遠隔操作しますが、カメラを通して見る映像は、患者の中に直接目を入れる、覗き込んでいるかのようにリアルです」。泌尿器科では、初導入からすでに529件の手術実績があり、2台体制になったことで手術の待ち時間が少なくなったほか、他の診療分野での活用も進んでいます。最新鋭の『ダヴィンチXi』は、スコープが改善され、きれいな3次元の視野で内部の奥行きまで見えることから細かい操作をしやすい特徴があります。アームの1つ『鉗子』の部分に関節が付いたことで執刀医の手の動きがさらにスムーズになり、質が高く身体に優しい手術が提供できます。 広島大学には2013年3月の時点で約350万冊の蔵書があり、さらに年間約4万冊の増加が見込まれていました。蔵書は図書館だけではなく学内の各研究室で保管されているものも多く、収納しきれなくなった図書の管理や利用方法が検討されていました。「自動書庫システム」は、コンテナに格納された資料を、ラックに高密度保管し、コンピュータのワンタッチ操作で入出庫を正確に5分程度で行えるシステムです。書庫棟のメインシステム(10m級高速ラック)と図書館書庫のサブシステムで構成され、2つのスペースを1つの書庫として運用することで、87万冊の図書を収容することができます。現在、約30万冊がここに収納され、今後の蔵書増加への対応だけでなく、1カ所に集めることで共同利用性を向上し、学修環境の整備や研究環境の改善も図ることが可能になりました。図書の入出庫は図書館1階・地下1階・地下2階の3カ所の出庫ステーションで行われ、資料の取り出しと返却が行えます。1.ダヴィンチのシステムは、きれいな3次元視野で、関節がある鉗子や足元のフットスイッチなどを使って、執刀医が遠隔でストレスなく手術に臨むことができます2.立体模型によるデモンストレーション3.「ダヴィンチ手術で患者の身体的負担も少なくなりました」と語る松原教授1.このレールで図書が運ばれてきます2.図書はジャンル別ではなくサイズ別にコンテナに収納されています。出庫ステーションで呼び出すと、求める図書を納めたコンテナが出庫口まで運ばれ、コンテナからは人が図書を取り出します3.70万冊以上を収納できる書庫棟■2■3■1■1■3■2010
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