HU-plus(Vol.2)2017年1月号
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Alpina Pamugari バリ語には、「こんにちは」と同じ意味のあいさつ言葉はない。その代わり、“Om Swastyastu (オーム・スワスティアストゥ)”=「神様の恵みによって、あなたがいつも幸せでありますように」と声をかけあうのだ。私の母国インドネシアは日本と同じ島国だが、異なる点は多い。人口は約2億5千万人で日本の倍程度。500ほどの民族が存在し、各地方によって言語が異なり、宗教も多様だ。 では、インドネシアの代表的な観光地として有名なバリ島の行事を紹介しよう。綺麗な自然を眺めることができるこの島では、毎日島のどこかでお祭りが行われている。特に、ヒンドゥー教徒の伝統的なお祭りである「ガルンガン」と「クニンガン」は規模が大きい。ガルンガンは、祖先の霊が戻ってくる日とされている。人々は、「ペンジョール」と呼ばれる長い竹の棒を家の前に立て、民族衣装を身にまとい寺院へ参拝に行く。クニンガンはガルンガンの10日後で、祖先の霊を送り出す日だ。  日本にもお盆があり、先祖を大切にする習慣がある。また、全国各地では何年も続くお祭りが数多くある。共に自然を愛し、伝統文化を守り、祖先に祈りをささげる日本人とバリ島の人々。暮らしている場所や宗教に違いはあれど、どこか似ているところがあるように感じる。迎える日と送る日、バリの年中行事も日本のお盆にそっくり。文学研究科博士課程前期人文学専攻 2年アルピナ・パムガリ (インドネシア)バリ島では昔から宗教的な儀式に欠かせないものとして、さまざまな舞踊が伝えられてきた。ガルンガンの祭礼に門前を飾るペンジョール(写真は本人提供)留学紀行編集・発行 : 広島大学 社会産学連携室 広報部 広報グループ〒739-8511 東広島市鏡山1-3-2 TEL:082-424-6762 FAX:082-424-6040E-mail:koho@oce.hiroshima-u.ac.jphttp://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html100年後にも世界で光り輝く大学へ

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