私もです広島大学を卒業・修了後、各業界で活躍されているOB・OGの方々に学生がインタビュー。現在のお仕事と大学時代を語っていただきました。広大広大学生レポ! petapeta-art®という子どもの手形や足形をさまざまなモチーフに見立てたアートを考案し、その普及に向けたイベント開催や講師育成を行っています。きっかけは、私自身の子育て経験。初めての育児でストレスがたまり体調を崩してしまった時、気分転換の方法として手形アートを思い付きました。手形アートは以前からアメリカや日本の保育園でも取り入れられていましたが、絵の具を使ったものが多く、家庭で行うのは大変でした。そこで、水性のインクパッドとマスキングテープを使い、誰でも手軽にできる形にアレンジ。自分と同じように子育てにストレスを抱える人々の助けになりたいと思い、会社を設立しました。 創業時は広島での教室やイベント開催を中心に展開していましたが、認知度が上がるにつれて県外の企業からもお声掛けいただくようになりました。そのうち、手形アートの講師になりたいと言ってくださる方が現れて、講師育成のサービスも開始。今では1200人を超える講師が全国で活躍しています。また、シヤチハタ株式会社と共同で、肌に優しい塗料を使った手形アート専用のインクパッドを開発しました。 手形アートは育児の気分転換になるほか、子どもの成長を目に見える形で残せるという魅力があります。子どもが成長すれば、一緒に作品づくりを楽しめるようになり、親子の思い出作りや愛着形成にもつながります。「人生が変わりました!」と言ってくださる方がこれまで何人もいて、本当にうれしかったです。 現在、コンテンツの意義を学術的に説明するために、広島大学の保健学分野の先生と手形アートの精神的な効用について共同研究中。作業療法的な効果があれば、終末期医療に応用できる可能性もあります。最近は老人ホームでのイベント依頼も増えているため、さらに幅広い年齢層をターゲットにした展開を検討しているところです。 広島大学へは3年生の時に編入学したので、短期間で単位を修得できるよう、勉強に必死でした。日本文学を学び、研究職を志望して、卒業後は大学院に進学。ひたすら本を読んでは論文を書く日々を送りました。結局研究職には就けませんでしたが、自分の好きな学問をとことんまで究めた経験は、現在の仕事に役立っていると感じます。後輩の皆さんには、ぜひ大学で自分のやりたいことに没頭してほしいですね。そうやって学生時代に情熱を傾けて、培ったものがきっと何らかの形で自分の人生を豊かにしてくれるはずです。誰でも気軽にできる手形アートの魅力をたくさんの人に届けたいやまざき・さちえ/広島大学文学部2004年度卒業、大学院文学研究科博士課程前期(人文学専攻)2007年度修了。2016年に株式会社petapetaを設立。2児の育児の傍ら、手形アート作家として活動。全国での親子集客イベントの企画受託と開催、専用商品の開発・販売なども行う。第23回ひろしまベンチャー助成金/育成賞金賞受賞。中国地域女性ビジネスプランコンテストSOERU第二回中国経済産業局長賞(大賞)受賞。学生時代に一生懸命取り組んだことが自分の将来を豊かにしてくれる教育学部4年さん野村 健悟Report学生広報ディレクター子育ての経験がきっかけで起業したというお話は興味深かったです。手形や足形は小さな子どもが好きなイメージがありましたが、大人やお年寄りも楽しめるものだと知り、驚きました。子育ての苦労など、なかなか知る機会のないお話が聞けて、良い経験となりました。19山崎 幸枝株式会社petapeta 代表取締役(広島県広島市中区)文学部・大学院文学研究科 出身さん
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