デザインと聞くと「難しそう」「センスがないとできない」と思う方も多いのではないでしょうか。しかし、「デザインは勉強したら誰でもできるようになります。デザインを理解していると日々のさまざまな場面で役立ちますし、一部の人だけの特別なものではありません」と「色彩学演習」を担当する八木健太郎准教授は言います。目標は、色彩の基本知識を身に付け、デザインに応用する力を養うこと。教育学部造形芸術系コースだけでなく、総合科学部や文学部など他学部の学生も多く履修しています。美術の勉強をしていない学生でも、一定レベルのデザインができるようになることを目指しています。 講義では、体験しながら学びを深める形を重視。教科書は使わず、進行用のスライドとスケッチブック、絵の具、色紙などを教材として進めていきます。スライドでは作業工程を丁寧に説明していくため、専門知識を持っていなくても戸惑うことはありません。説明に沿って自分で手を動かしながら、色彩イメージや配色に関する知識を自然に身に付けていけるようになっています。色見本を片手に、学内の建物の色を見て回ることもあります。ハイライトとなる最終課題は「商品企画における色彩戦略のプレゼンテーション」。商品のターゲットや利用シーンを設定し、色彩を活用した広告イメージを提案する課題です。配色の理由やコンセプトについても問われ、講義の集大成と言えます。発表用資料を作る中で「自分でデザインできた」という感覚が得られ、非常に達成感があると好評です。 デザインのエバンジェリスト(伝道師)を志す八木准教授は「デザインは生活を豊かにする知恵である」と語ります。例えば色彩についての知識は、ファッションやインテリアのコーディネートにも応用が可能です。日常に彩りを加えてくれる「色彩学演習」の学び。デザインが持つさまざまな可能性に気付かされる講義です。色を見て元気になったり心地良くなったり。この感覚は「理論」に裏付けられていることが分かりました。身の回りの色を見る時に、理由や効果を考えるようになりました。学生がおすすめする広島大学の「ぶち」おもしろい講義を各回ご紹介します。教育学部 3年さん堀家 実悠希ぶち広大講義色彩学演習特別な人の、特別な技術じゃない !生活を豊かにする知恵としての「デザイン」とても(広島弁)17vol.03おもしろい【】Student’s Voice!色の特性を学ぶために、自分で色相環を描く。発表用資料には、学生のアイデアが光る。色にはそれぞれ異なるキャラクター(性質)が。担当教員:専門分野:八木 健太郎 准教授デザイン学開講部局:科目区分:教育学部専門教育(大学院教育学研究科造形芸術教育学講座)
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