HU-plus(Vol.1)2016年11月号
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考広大教育クォーター制導入の意図 クォーター制導入の目的・意義の一つとして、授業を短期間で集中的に受講することによる教育効果の向上があげられます。つまり、1科目に対して重点的に予習・復習などを行うことができるようになり、学生の主体的な学修が図られます。また、履修方法を工夫することで、留学やインターンシップ、ボランティア活動などに参加しやすくなり、学生の自主的な学習体験が促進されることも導入の目的の一つです。グローバル化へ一直線 クォーター制の導入により、本学の学生が海外留学しやすくなるのはもちろんですが、海外から留学生を受け入れやすくなるメリットもあります。また、学生交流だけでなく、著名な教員を海外から短期間招聘できるなど、広島大学の教育活動が国内外において柔軟に展開できるようになります。さらに、ボランティア活動など、さまざまな活動への展開も期待できます。2016年度から本格的にクォーター制を開始したこともあり、本学の教育が目に見えて変化したとはまだ言えませんが、これから徐々に国際的な流動性が高まり、グローバル化に対応した教育環境がつくられていくでしょう。教育方法が拡充 薬学部の例ですが、同じセメスターで開講していた積み上げ型の科目を別々のタームで開講したことにより、学修の順次性が確保されるようになりました。また、これまでの90分ではなかなか実施が困難であった、PBL(problem based learning)などのアクティブラーニングが導入可能となり、教育方法の拡充につながっています。小澤 孝一郎 副理事(教育企画担当)|教員の声|生物生産学部生物生産学科2年 梅木 雅美|学生の声|短期集中型の講義 今までは1年を前期と後期の2期に分けてそれぞれで講義を受けていました。クォーター制によって、その2期をさらに半分にして、4タームに分けるようになりました。ターム制の講義では、今までの半分の期間で同じ講義を受けるため、週に1コマ分だったのが2コマ分受けるようになったことが一番の変化だと思います。 もちろん、クォーター制になったから、何かが大きく変わったということはありません。留学は、「STARTプログラム」でインドネシアに行きましたし、ボランティア活動も過疎地域の農作業のお手伝いに行った経験があります。ただ、クォーター制になってより留学をしやすくなったと聞き、改めて留学制度について詳しく調べてみたいと思うようになったことも事実です。メリットもデメリットも セメスター制(前期・後期制)のメリットは、クォーター制に比べてゆとりがあること。一つの教科に時間をかけてゆっくりと勉強できます。デメリットは、テストまでの期間が長いため、しっかり復習をしていないと最初の方で受けた講義内容を忘れがちになることです。 クォーター制のメリットは、今までの半分の期間で同じ量の勉強をするため、記憶が新しいままテストをむかえられること。また、1タームに実施されるテストの教科数が少ないため、一つの教科にしっかりとテスト勉強ができることもメリットの一つです。デメリットは、テストの実施期間が増えるため、サークルやバイトなどの予定が立てにくいこと。また、セメスター制の授業とクォーター制の授業があるため、履修の調整が難しいということもあります。世界の大学と共通性が高いクォーター制の導入で教育効果のさらなる向上を。クォーター制とは? 広島大学では、2014年度まで実施していた「前期」「後期」のセメスター制の授業に加え、2015年度から4学期制のクォーター制を設けて授業を実施しています。このクォーター制は海外の大学では珍しくありません。世界とのギャップを埋めることも制度導入の理由の一つです。たとえば、日本は春に学年がスタートしますが、海外では秋スタートが主流。日本からの留学、海外からの留学生の受け入れも、このズレがネックになっていましたが、クォーター制ならクリアできることになります。 クォーター制(4学期制)では、従来の前期・後期の授業期間をそれぞれ前半・後半の2つの期間に分けた「第1タームから第4ターム」を設けて授業を実施します。この制度では、1科目を週に2コマ実施するので、学生は各タームで1週間に学ぶ学問領域が半減、そのため、集中的に学ぶことによる教育効果が得られます。前期第1ターム第2ターム後期第3ターム第4ターム017

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