ブックタイトル主体的に学ぶ力を育成する授業を!

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概要

主体的に学ぶ力を育成する授業を!

教育内容の授業間連携を図るために2 - カリキュラムにおける授業の位置づけを考える -● 授業連携の意義 各教育プログラムには,社会のニーズに合致した輩出すべき学生像があります。これを具現化するために,学生の到達目標が設定され,これに基づいてカリキュラムが設計されています。したがって,カリキュラムを構成している個々の授業科目は,到達目標に基づいて,学ぶべき内容が練られ,他の授業科目と有機的に連携が図られるべきものです。換言すれば,各授業を担当する教員間の授業連携・情報共有を強固なものにしない限り,各教育プログラムが輩出する学生像を共有化することはできないし,学生自身も当該プログラムの学習内容と自分の将来像を結び付けることが困難となります。 プログラムの教員間における授業連携の仕組みについて,一つのプログラムの事例を紹介しましょう。輸送機器環境工学プログラムでは,教育プログラム点検・改善システム(= PDCA(Plan, Do, Check, Action)サイクル)を構築することによって,教員間の情報交換の場を積極的に設け,授業連携がスムーズに行われる取り組みを行っています。以下では,具体的な授業連携の仕組みについて紹介します。● 授業連携の仕組み 輸送機器環境工学プログラムでは,専門細目分野ごとに「科目別検討WG」と「教育プログラム点検・改善委員会」の担当教員会を設置することによって,教員間の連携を図る仕組みを構築・運用しています。(図-1, 2参照)。 科目別検討WG では,授業科目を授業内容の関連性に基づいて幾つかのグループに分け,全授業の実施計画と実施状況を確認します。これにより, 以下の事項を主に確認します。 ・ 主専攻プログラムの中で担当している授業の位置づけ。 ・ 授業間で学習内容の重複・不足部分が無く,連携が取れている。 ・ 学生の理解度,授業の実施方法の妥当性,問題点,改善方法。また,これらの担当教員会において,グループ間の連携を理解し,教育プログラムの全体状況と問題点の有無を確認します。 教育プログラム点検・改善委員会では,全ての科目別検討WG の議事内容を紹介し,取りまとめた内容を議論した後,教室会議(全教員出席)で報告します。(1)科目別検討WG 輸送機器環境工学プログラムが提供する全ての授業科目(=担当教員)は,構造・流体・システム・基礎&情報・プロジェクト&実験の5つの科目別検討WG のいずれかに属します。各WG は各セメスター終了後に開催され,各教員は担当授業に関わる以下の資料を全て開示し,説明することになっています。 ・ シラバスと実際の実施内容 ・ 成績評価の方法と成績分布 ・ 授業評価アンケート結果 ・ 改善計画書WG 内の他教員は,上記内容を評価・吟味し,修正すべき点があれば指摘・協議します。また,お互いの授業の工夫点,教える内容の精査(重複と不足の把握),学習項目の科目間連携,学年毎の特徴,自由記述への対処方法など,様々な案件を自由討論できるようにしています。このWG 内の活発な討議によって,ほとんどの案件が,次年度,改善方向に向かい,学生へのフィードバックがなされる仕組みとなっています。なお,現在は,学士課程教育のみならず,大学院教育においても同様のシステムを導入しています。8