ブックタイトル主体的に学ぶ力を育成する授業を!

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概要

主体的に学ぶ力を育成する授業を!

 大学の授業は,研究者である教員が,みずからの学術研究をふまえながら授業を行うことで,学問的成果を「伝える」場であり,学生たちを研究活動に向けて「育てる」場です。加えて,卒業・修了後には,自身の課題発見能力・課題解決力を用いて社会において予測困難な課題に直面した際,それを克服できる能力を持った人材を養成する場でもあります。研究者が,学生たちに「伝えたい」「育てたい」という教育者の立場で強い動機に支えられているのが,大学の授業の特徴です。しかし,大学の授業では,そうした自分の専門性と深いかかわりのある科目ばかりではなく,国家試験や免許科目の縛りがあったり,担当者の学問的独創性を強調しづらい「概論」や「概説」的な科目も担当しなくてはなりません。 しかし,そうした科目の授業は,誰がやっても同じでしょうか。やはり,学術的な研究活動を行っている教員の授業は,たえず学問研究の先端的な内容や動向に触れているだけに,その学問の基礎的で原理的な内容を扱う場合も,どこか違いがあるのではないでしょうか。その科目の授業で「修得させなければならない」ことを,みずからが実施している学術研究の経験をふまえて,「修得可能」なものにすることが必要です。教員自身が,その分野で感動したことやすばらしさを経験したことをもって,学生と向き合うことをしなくて,どうして学生たちに「学問の魅力」や「研究のおもしろさ」を伝えることができるのでしょうか。これが伝われば,一見,無味乾燥な知識の暗記と誤解され敬遠されがちな学習も,それらの知識をどのように活用するかを学生自身が考えるような学習の中に位置づけることにより,次世代の研究者の養成や,社会で活躍できる人材の養成に繋がるでしょう。授業は「何を知っているか」にとどめず,それらの知識を「どのように活用するか」が大切です。 つまり,私たち教員は,みずからが担当する科目において伝えたい知識のみならず,「学問の魅力」や「研究のおもしろさ」を伝えることを通じて学生の学問に対する興味・関心を喚起し,自発的に学ぶ動機づけや意欲を養っていくことがまずは大切であると言えるでしょう。序序.主体的に学ぶ力をどのように育成するか -主体的に学ぶ力を育成する授業を! 3