ブックタイトル主体的に学ぶ力を育成する授業を!

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概要

主体的に学ぶ力を育成する授業を!

はじめに 近年,学生が主体的に学ぶ力を育成することが重要であると言われています。また,学生の学位取得後のコンピテンシーを明示化し,その達成に向けて授業内外での学びを確実なものとしていくこと,すなわち教育の質の保証も求められています。今までの多くの大学講義では,教員は一方向的に学生に講義を行い,学生は教員の提示する現状の知識を受動的にノートに取り,教員はその知識の修得率を評価していたのではないでしょうか。新しい知見を作り出していく大学における教育で,学生に身につけて貰うべき能力は,現時点の知識だけでなく,それらを活用および応用展開させられる能力です。教員の役割は,身につけるべき知識を説明し,学生が自ら多様な知識を結びつけて,応用展開することを促すことです。現在の大学は,第一線の研究者が学習者に寄り添う導き手となり,常に変動し予測不能な人類社会の課題をグローバルな視点で協働して課題発見・解決することのできる人材を育成することが求められています。これは,研究者養成の色合いが濃い大学であっても同じです。 予測不能な現代社会に身を置く大学人として,変わりつつある社会環境を無視して,今までのような教育方法を実施していくわけにはいきません。それゆえ,上述した人材養成を行うための授業を実施することが求められています。 こうした背景を受けて,これまで,カリキュラム改革の実施,個々の授業科目ごとの詳細な授業計画としてのシラバスの作成など,教育の質を確保するための取組が進められてきました。急速な社会の進展や刻々と変化する国民のニーズに適切に対応するためには,今後とも上述した人材養成の目的を意識した教育内容と教育方法の改善に,積極的かつ不断に,また継続的に取り組んでいくことが求められています。 個々の教員の努力はもとより,大学あるいは学部,学科としての教育目標を明確に示し,その目標を実現するための視点から,個々の授業科目の開設においては,他の授業科目との連携を考えた教育課程の編成が必要となりますし,その上で各教員がその趣旨に沿い,アクティブラーニングの実践,つまり,学生が主体的に学ぶよう,授業を行うという一連のプロセスとしての取組が重要となります。 本冊子は,学生の豊かで主体的な学びと成長に役立つ授業を実施できるようにサポートするために作成しています。また,何より,教員に到達目標型教育プログラムの意義と学生の学位取得後のコンピテンシーを十分に理解していただき,その結果として教育に対する意識が変わることにより,授業スタイルが改善するとともに,学生の多様化を踏まえた教育内容が充実するための第一歩になることを願っています。※「……コンピテンシー(能力)」とは,単なる知識や技術だけではなく,技能や態度を含む様々な心理的・社会的なリソースを活用して,特定の文脈の中で複雑な要求(課題)に対応することができる力。主体的に学ぶ力を育成する授業を! 1