ブックタイトル主体的に学ぶ力を育成する授業を!

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概要

主体的に学ぶ力を育成する授業を!

 教室を「教育するコミュニティ」「探求するコミュニティ」とすることが,学生の学習意欲を高めることになります。紹介させていただくのはこんな授業です 「教育哲学」(教育学部開講,約50名):教室の内外で読む・書く・聴く・話すという四つの活動を駆使して,具体的批判的に考える授業です。 ただ聴くだけの授業より,「ノートをとり,質問に答え,自分の考えを表明し,そのフィードバックを教員やクラスメートから受け取る」,そうした授業の方が,理解も深まり,定着する度合いも高いでしょう。ただ聴くだけの授業では「わかったつもり」「教えたはず」で放っておくことにもなります。 この授業では多くの受講生が手を挙げて発言します。彼(女)らは自ら発言することがクラスメートの学びに貢献することを自覚しています。そうした授業が可能となるように,授業を担当する教員としていくつか工夫してきました。まずは,授業の概略を説明し,それらの工夫を紹介します。【授業の目標】 教育の諸現象について哲学的に考察できる。【授業の流れ】 第1ステージ(4週):「哲学的思考」や「ことば」に関する若干の講義と短い演習を繰り返し,次のステージの助走とする。 第2ステージ(6週):受講生は教科書に納められた論文を読み,A4…サイズ一枚の批判的エッセイを書いてBb9…に提出する。これを2週1セットで3回繰り返す。最初の2回は,名前を伏した提出エッセイが配られ,まず各自で添削し,次に書画カメラで映し出して「どこをどう直せばよりよいエッセイになるか」をクラス全体で話し合う。論文執筆者の意図,エッセイ執筆者の意図に寄り添いながら批判的に読むことが目指される。最後の1回は,小グループに分かれ,自分の書いたエッセイを持ち寄って検討し合う。 第3ステージ(5週):ケースメソッドの手法を用い,教科書に納められた具体的ケースをめぐって,自分ならどうするかを小グループとクラス全体で話し合う。 いずれのステージでも,授業内で話しきれなかったことをBb9…上のディスカッションボードに投稿してもらい,討論を継続させる。【評価の方法】 授業参加についての授業者評価(10%)・自己評価(10%)・クラスメートからの評価(10%),3つの批判的エッセイ(各10%),タームペーパー(40%)。受講生は授業の内外でこんなことをします読む( 授業外):教… 科書・資料の論文や具体的ケース,クラスメートの批判的エッセイ,Bb9…ディスカッションの投稿を読む  ( 授業内):他の受講生の批判的エッセイを読む書く( 授業外):3つの批判的エッセイ,Bb9…ディスカッションの投稿,タームペーパーを書く  ( 授業内):ノートをとり,疑問や改善コメントを配布された匿名エッセイの余白に書き込む話す( 授業内):グループ内で,また,クラス全体で発言する  ( 授業外):休憩時間等に授業内容についてクラスメートに考えを話す聴く( 授業内):授業者からの問いや説明,クラスメートの発言ならびに自分の発言へのフィードバックを聴く  (授業外):休憩時間等に授業内容についてクラスメートの想いを聴く4 学生の主体的な学びを促進するために (1)ケースメソッドの活用主体的に学ぶ力を育成する授業を! 11