ブックタイトル東日本大震災・福島原発災害と広島大学

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概要

東日本大震災・福島原発災害と広島大学

72あ と が き 平成23 年3 月11 日、未曽有の東日本大震災が東日本一帯を襲った。引き続いて発生した東京電力福島第一原子力発電所事故によって大量の放射性物質が環境中に放出され、事故から2年を迎える今も被ばくの不安は消えない。 今回の災害発生を受けて広島大学は、緊急被ばく医療をはじめさまざまな支援に大学を挙げて取り組んでいる。とりわけ緊急被ばく医療に関しては、三次被ばく医療機関として放射線医学総合研究所と共に中心的な役割を担ってきた。緊急被ばく医療関係の派遣者だけでも延べ1,300 人を超える。 本書は、この2 年間に支援に携わった広島大学教職員・学生のうち55 人の手記をまとめた。限られた紙幅ではあるが、それぞれの軌跡と思いが率直につづられている。 広島大学は昭和52 年、原爆被爆の諸相を自然科学、人文科学の各分野から総合的に記録した「原爆と広島大学『生死の火』学術編」を刊行した。その意義を当時の竹山晴夫学長は次のように記している。 「それは被爆犠牲の上に建設された学園にいるものとして、死没者への追悼の情の一つの表われでもあるとともに、学問が人間存在の窮極的な福祉に仕えるべきものである以上、人類史上決して忘れ去ることのできない原爆被災をわが大学の学問的営みの内的原点としてあらためて見据えようとするためでもある」 この記録集の目的も、この間の取り組みを見つめ直し、より良い支援につなげていくことである。原爆被災を「学問的営みの内的原点」としつつ育んできた広島大学の知と経験が、福島はもとより各地で被災された方々のために役立てば、と切に願う。  編集委員会は神谷研二緊急被ばく医療推進センター長を委員長に、財務・総務室総務グループリーダー山根清、広報グループリーダー和木光江、医療政策グループリーダー林茂雄、病院特命広報・調査担当役の山内雅弥が委員として実務作業を行った。緊急被ばく医療推進センターの東久哉主査には、現地活動写真の提供などお世話になった。表紙デザインは教育学部 第四類造形芸術系コース2年、田丸治樹さんが快く引き受けてくれた。心から感謝申し上げる。 なお、本文中の職名は各執筆者の表記に従った。不揃いになった点は編者の責任である。お許しいただきたい。  平成25 年3 月1 日                                             編集委員会 山 内 雅 弥