ブックタイトル東日本大震災・福島原発災害と広島大学

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概要

東日本大震災・福島原発災害と広島大学

67②学生ボランティアとして被災者と1対1で向き合う                    教育学部 2年(つながり隊 第3次派遣隊長) 鬼村はるか 平成24 年2月15 日~ 24 日、宮城県仙台市若林区ニッペリア仮設住宅、亘理町旧館仮設住宅、亘理町公共ゾーン2仮設住宅、名取町美田園第2、第3仮設住宅を拠点に活動したつながり隊第3 次派遣隊の隊長を務めた。 主な活動は①被災地域の仮設住宅またはその近隣地域の子どもへの学習支援②仮設住宅での交流会(もの作り、お話、持ち寄りの昼食会等)③ 東北の学生やボランティア団体、社会福祉協議会と連携した交流会、世帯訪問④東北の学生が復興支援活動をするためのサポートを目的としたシンポジウム―であった。すべて被災者の方々に寄り添い、心の支援をすることを目的とした活動である。 交流会では、ものづくり活動や昼食会を通して被災者と学生が1対1で真剣に向き合い、泣きながら話をしたり、一緒に笑って楽しい時間を共に過ごしたりした。被災地の方のさまざまな表情を垣間見ることができた。 世帯訪問では、外に出たくない方や身体障害がある方の世帯で、わたしたちの手伝いを欲している世帯を訪問することで、親密になり、個人の小さなニーズに応えることができた。さらに社会福祉協議会と連携して細かい情報の共有を図った。 学習支援については、思いっきり遊んでストレスを発散したいというニーズに対して、安全面を考慮しながら精一杯の支援をした。 学生シンポジウムでは、広島と東北という土地、学生という立場に重点を置いた議論をし、貴重な時間を過ごすことができた。また、この派遣では亘理高校の生徒と知り合うことができ、実際に高校に訪問したり一緒に活動したりすることにより関係を深めた。今後の派遣において高校生との関係を継続する一歩を踏み出したと考える。 交流会において、被災地の方と話している途中で津波の話をされた時にどのような受け答えをしたらいいか悩み、動揺するメンバーが多かった。また、学習支援で子どもと遊ぶ際の安全面には特に配慮したが、完璧といえるリスク管理をすることは困難だった。 このような課題や反省点から、被災地の方々はもとより、広島から派遣されたメンバーも含めて、関わる人のリスク管理を徹底することを教訓として生かしたい。第2 次派遣から2カ月しか経っていないにも関わらず現地の様子やニーズは様変わりしていた。今後の派遣においても、きめ細かくニーズを把握した上て活動してくことを心に留めた。交流会では幅広い世代の方を対象に距離の近い対話ができました