ブックタイトル東日本大震災・福島原発災害と広島大学

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概要

東日本大震災・福島原発災害と広島大学

29③住民の被ばくスクリーニング緊急時に備え出動待機で就寝病院運営支援部 患者支援センター 専門員(当時:医事グループ 主査)藤本利夫 平成23 年3月25 日~3月29 日、福島県自治会館とオフサイトセンター(OFC)を拠点に活動した。法人本部の班員には看護師とともにOFC における情報収集と緊急被ばく対策委員会へのデータ送信をお願いし、私は自治会館での情報収集、班員の行動把握、緊急被ばく対策委員会本部へ電話による報告、活動状況の報告書まとめ、緊急時を含めた公用車の運転などに当たった。 当初、業務内容の概要説明を受けたが、時々刻々と状況が変化し、情報収集やその対応に追われた。前日及び当日朝の自治会館ミーティングの後、班員の医師が急きょJ ヴィレッジに向かうことになり、移動手段や派遣依頼についての確認や連絡を行った。 3月27 日には小児スクリーニング検査を再度行うための場所を確保するため、田代聡教授の依頼で隅田博臣技師、文部科学省職員、原子力安全保安院職員を乗せ公用車で川俣町に向かった。途中、応急処置された道路を走行しながらも、地震の爪痕を見ると規模の大きさが生々しく伝わった。 それ以外にも福島県庁から飯舘村役場への検査機器運搬、28、29 日には川俣町でのスクリーニング会場の手伝いなど現地活動の支援、その合間に第6班を迎えに行った。公用車のナビゲーションによりある程度分かったが、土地勘もなく、通行止めのため迂回路を走行しても路面状態が悪いので、一般道を走行する際は特に慎重な運転を心がけ、夜間における緊急時の運転もあることを念頭に置いて出動待機状態で就寝していた。 距離のあるJ ヴィレッジに向かうことを考慮し、燃料の残量確認と確保のため、開店している指定ガソリンスタンドの把握にも気を遣った。 反省点としては、班員からの電話連絡が遅く内容も断片的なので、状況の変化への対応や確認に手間取り、緊急被ばく対策委員会本部へ報告や連絡が遅くなったことである。緊急時に公用車を運転するためには、道路状況と燃料補給できる場所の確認や公用車に積載している物資の把握、緊急時の対応ができる体制と班員の意思疎通が大切であると実感した。スタッフや物資の輸送にフル回転した広島大学病院の公用車手前(福島県庁)