ブックタイトル東日本大震災・福島原発災害と広島大学

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概要

東日本大震災・福島原発災害と広島大学

「東日本大震災・福島原発災害と広島大学」の発刊に寄せて この度「東日本大震災・福島原発災害と広島大学」を発刊することになりました。平成23(2011)年3月11 日に発生した東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故は、わが国に未曽有の被害をもたらし、復旧・復興に数十年の年月を要すると言われています。これは、科学技術への過信に加えて自然との共存を怠ってきたわが国社会に対する警鐘とも受け取ることができます。 広島大学では、主として原発事故の発生した福島県を中心に、震災直後から継続して緊急被ばく医療チームを派遣し、医療支援などの被災地の復興支援活動に取り組んできました。本学がわが国の放射線災害の西日本ブロックの「三次被ばく医療機関」、緊急被ばく医療の拠点として位置付けられていること、本学が世界で最初の被爆地広島市に開学したこと、などから被災地の支援は本学に課せられた重要な使命として受け止め、活動してきました。本学の教職員がそのことを深く理解して、これまでに懸命に活動してきたことに心から感謝致します。また、本学の多くの教職員や学生も、自らの意思で被災地支援活動を計画し、実施してきました。 しかし本学や国内外からの温かい支援活動にも関わらず、放射線災害復興を含む被災地の復旧・復興は被災地住民の期待に沿うにはほど遠く、多くの課題を露呈しています。今後も関係自治体や団体とも連携を深めて、なお一層活動を充実させていかなくてはならないと受け止めております。 今回の「東日本大震災・福島原発災害と広島大学」発刊は、震災後丸2年を迎える本学の活動を振り返り、被災地への支援が被災地住民の期待通りに行われたか否か、を含めて支援活動の検証を行った上で、今後の活動に生かしていきたいとの思いがあります。活動に関わった教職員、学生がそのことを理解して、このまとめを作成しております。 最後になりますが、被災地の一日も早い復旧・復興を心から念じております。  平成25 年3月1日       広島大学長  浅 原 利 正1