HU-plus(Vol.2)2017年1月号
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  久保田さんは、愛媛や広島のテレビ局に勤めた後フリーになり、現在はTSSテレビ新広島の「ひろしま満点ママ!!」やRCC中国放送の「ひな壇団」などで活躍されています。両番組ともエンターテインメント的要素も含んでいますので、もう少し「ひょうきん」な人をイメージしていたのですが、お会いしてみると、意外や意外、本気で「まっすぐな人」でした。 「メディアとしてのテレビの発信力はすごい。だから、どう伝えるか、どうしたら伝わるかを一生懸命考えています。でも、マスコミの仕事をしていたら、自分の気持ちにさえ素直になれないことがあります。だから、自分の気持ちに正直でまっすぐであることが大切。伝えたいことが伝わるように、わかりやすく、がモットーです」 久保田さんは、現在、NPO法人IMCCD(カンボジアの地雷除去)の広島支部長も務めています。講演会でカンボジアのことを話すなど、広島での活動を拡げるために尽力されています。 「カンボジアを外から見ていると『危険』とか『かわいそう』といった感想が返ってきます。でも、現地に行ってみると、みなさん前向きなんですよ。国民性もあるのかもしれませんが、洪水にあっても『高床式の住まいだから大丈夫。それよりも洪水で魚がたくさん獲れてうれしい』と言われます。そういう人たちを応援したい。日本にいてできることはわずかですが、でも、続けていかなければ前には進めません」 その久保田さん、今年の夏、広島大学で90分枠の講義を受け持つ予定です。テーマは、カンボジアの「ひろしまハウス」についてのこと。ひろしまハウスは、貧しくて学校に行けない子どもたちに、無料で勉強を教えたり、給食を提供するなどしている教育支援施設。名前のとおり、広島とは深い関係があるので、ぜひ聴講してほしいと思います。 「テレビ番組を制作する過程でアナウンサーが果たす役割は、最後の最後です。制作スタッフの方、カメラや技術の方などが作り上げた100%のものを、120%にすることが私に求められています」 仲間とひとつのものを作り上げることは、大学時代に所属していたダンスサークル「リズミック」の経験から学んだそうです。 「ダンスの講演会のためにテーマを設けて、朝まで話し合ったりしましたね。できるまで練習をしたりすることで、仲間との絆を深め、つながりが強くなりました。アナウンサー試験の勉強に専念するため、一度はそのリズミックを辞めてしまいましたが、未練があり、ストレスで勉強に集中できないこともありました。再びリズミックを始めると、時間の使い方も上手くなり、自分の気持ちにも整理がついたので勉強も集中できるようになりました」 学生時代は文学部でドイツ文学を専攻されていた久保田さん。「ゼミの先生は舞台やオペラが専門で、そこからドイツ文学を紐解くスタイルでした。舞台やオペラを通して学んだ『表現力』は、今の仕事にも繋がっていると思います」 最後に、母校の後輩へのメッセージを伺いました。「ゼミの先生にも教えていただいたことですが、学生のみなさんには、自分の興味のあることを追求してほしい。気になることは迷わず突き詰めてほしいです」TSSテレビ新広島の「ひろしま満点ママ!!」は、自社制作の人気情報番組。左はスタッフと本番前に入念な打ち合わせ中の久保田アナ。下は右からMCの古沢知子アナ、棚田徹アナ(広島大学総合科学部1984年卒)、久保田さん、中島尚樹さん、岡﨑花帆子さん。久保田さんは、月曜日担当(隔週)。3人の後輩たちに囲まれて、楽しそうな久保田さん。左から桜田諄(総合科学部4年)、久保田さん、吉川、寺坂絵里(総合科学部4年)TSSテレビ新広島「ひろしま満点ママ!!」は毎週月~木曜あさ9:50~11:25(金曜あさ9:50~11:20)生放送です。024

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