HU-plus(Vol.1)2016年11月号
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編集・発行 : 広島大学 社会産学連携室 広報部 広報グループ〒739-8511 東広島市鏡山1-3-2 TEL:082-424-6762 FAX:082-424-6040E-mail:koho@oce.hiroshima-u.ac.jphttp://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html100年後にも世界で光り輝く大学へ “Aurinko paistaa.”(太陽が輝いているね。)分厚い雲の間から太陽が顔をのぞかせたその日、街行く人々はそんな言葉を交わしていた。厳しい冬の日の貴重な太陽を皆でよろこぶ挨拶だ。その冬、3カ月の間で太陽を見ることができたのはたった18時間。私たちの国に、温かい冬の日をたくみに言い表した「小春日和」という言葉があるように、北欧にもその土地の自然と人々の暮らしが結びついた言葉があるのだと知った。文化とは何か、言葉とは何かと考えさせられた瞬間だった。 気が塞ぎそうな憂鬱な冬に味方してくれたのはサウナだった。サウナにはいつでも人がいて、体を温めながら談話をしている。私の暮らしていた学生寮にも、棟ごとにサウナが設置されていた。サウナは息抜きの場のみならず、コミュニケーションの空間でもあり、入れかわり立ちかわり利用する人々に会話の場を提供していた。私もサウナに通うことで、大学の授業では学べないようなことを、現地の人や留学生とのコミュニケーションを通して知ることができた。留学生の中にはサウナに抵抗を感じる人もいたが、温泉や風呂好きの日本人として、フィンランドのサウナ文化に親近感を覚えた。 異なる自然・言語・文化に身を置いた1年の経験は、多種多様な人やものを理解し、受容する姿勢の基礎を作ってくれた。厳冬のフィンランドの憂鬱を溶かしたのはサウナのぬくもり。教育学部 第五類教育学系コース 4年倉増 和真 Kazuma Kuramasu気温が0℃を超えることはない厳冬のフィンランド。昼といえども太陽は低く、窓霜の向こうのユヴァスキュラの街も薄暮に包まれる。(写真は本人提供)●留学先 : フィンランド・ユヴァスキュラ大学●留学期間 : 2012年8月~2013年7月●HUSAプログラム※を利用※広島大学短期交換留学プログラム(Hiroshima University Study Abroad Program)は、学部生・大学院生が大学間学生交流協定などに基づいて母国の大学に在籍しつつ、留学先大学で現地の学生と同じ授業を受講し、単位修得を目指す制度。留学紀行

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