HU-plus(Vol.1)2016年11月号
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Q趣味は?A家庭菜園、ヨガ、読書、木材加工Q休日はどんな過ごし方を?A畑仕事、図書館、子どもの行事、料理Q好きなタレント、芸能人は?A竹内まりや、山下達郎、笑福亭鶴瓶Q好きな広島の「食」と、その理由は?Aお好み焼き。学生時代は重要な栄養源でした。手軽でおいしい。来学の研究者があれば必ずお連れします。Q少年時代の夢は?Aコック、科学者、教師Q尊敬する人物とその理由は?A伊能忠敬。地図作りの先達。謙虚に学び、知恵を働かせ、好奇心とバイタリティーにあふれている。Q得意なスポーツは?A特別にありませんが、子どもの時にやっていた卓球ですかね。Q先生の学生時代と比べて、現在の学生たちの異なっている点、変わっていない点は?A異なる点:(授業の教室以外で)研究室に姿を現す学生は少なくなった。対面の交流が乏しい気がします。変わらない点:ここぞ、という時の底力は昔からの広大生気質。Q広島大学で学ぶ学生のご家族に一言お願いしますA学生に有意義な時間を過ごしてもらうために、可能な限りのご支援をお願いします。Q1カ月休暇がとれたら、何をしたい?Aロシアのダーチャのような菜園そばのセカンドハウスを作りたいQ好きな言葉、座右の銘は?A苟日新、日日新、又日新(「大学」より)〈毎日、新しい日。充実した時間を過ごし、進歩したい〉こちらは少々アナログ。「ハイビュー」と呼ばれる一見自撮り棒のお化けのような長い棒の先端にデジカメをつけて、一番撮りたいアングルの地表写真をカシャカシャする。7mと10mタイプがあって、大体のロケーションには対応できる。多くの家屋が倒壊し、甚大な被害をもたらした熊本地震。現地で地表地震断層を調査する後藤准教授。確認された断層のズレは大きく、地震の激しさを物語っている。Q&A後藤先生に一問一答熊本地震で、「三次元の激しい揺れ」に驚愕 2016年4月14日午後9時26分、M6.5の地震発生の報を受けた翌朝、後藤秀昭准教授は、同じく広島大学の中田高名誉教授、熊原康博准教授とともに熊本に向け出発する。その日は「布田川断層」を調査。明確な変位がないことを確認して市内のホテルに帰り、翌日の帰広に備える。ところが16日未明、M7.3の大地震が後藤准教授たちを襲う。 「これには心底驚きました。普通、縦揺れとか横揺れとかいいますが、そのレベルじゃまったくありません。たとえれば、三次元の揺れとでもいうべきでしょうか。ぐるぐる振り回されて、生きた心地もしませんでした」 16日は早朝から布田川断層の再調査を開始。この調査で、主断層から分岐した、別の活断層の存在を示す新たな痕跡を発見する。帰広後の記者会見で「この分岐断層が壊滅的な益城町中心部の被害を起こしたと考えられる」と述べる。 その後、5月に熊本を再訪した後藤准教授たちは、「熊本市中心部に新たな活断層とみられるズレを発見した」と報告。そのきっかけは、名園水前寺公園の水位の低下で、活断層との関連を今後も調査するという。海でも陸でも、未知の活断層をなくしたい 後藤准教授は、地理学の専門家であり、なかでも地形学、特に活断層の研究においては常に脚光を浴びる存在だ。 「現在の地形ができてきた歴史をひも解くなかで、特に地震によってつくられた地形に注目し、過去の大地震について検討しています。地理情報システム(GIS)を用いた地形や地域の分析も進めています」 後藤准教授の肩書きに「地表圏システム学講座」とある。このうち、地理学分野では、活断層調査や地理学的調査を、コンピュータ解析などによって、より科学的にスピーディに行うという。 「たとえば、活断層調査なら、GISのほかに自分たちでドローンを飛ばしたり、独自の方法で撮影したデータから、地形を数値化して地形画像に置き換える。これができるようになって、迅速に地形の変動と活断層の実態がわかるようになった。ここ10年ぐらいでこの分野の研究は大きく変わりました」 この研究の意義を問うと、「おもしろいからやっている」と返す。「ただ、実際に役に立たなかったら少々へこむでしょうね」ともいう。「仮説をたてて、それをフィールドワークで実証する。そのプロセスが楽しいのですよ」。 今後の目標について抱負をこう語る。 「海底の地形も船舶から詳細なデータがとれるようになりましたので、こちらもなんとかなる。近い将来、海でも陸でも、未知の活断層をゼロにしたいですね」ごとう・ひであき●学位/博士(文学:広島大学)、修士(文学:広島大学)●研究キーワード/活断層、地形学、地理情報システム、数値標高モデル、中央構造線●代表的な学術論文/中央構造線活断層系(四国)の最新活動時期からみた活断層系の活動集中期、四国の中央構造線活断層系̶詳細活断層線分布図と資料●受賞/2012年度地理学会賞(社会貢献部門)、2008年度日本地震学会論文賞写真や図を示しながら、活断層について語る後藤准教授。「未知の活断層ゼロ」への思いは熱い。016

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